授業シラバス

2015年度

 

 

2011,12年度

現代社会論I 2 単位(秋学期)

生の社会学

授業科目の内容:

教授 岡原 正幸 講師 小倉 康嗣

 

 たとえば社会学の基本の一つである社会調査、否応なく人と関わ るこの学的な営みを、どこに位置づけ、その営みの中で自らをどこ に位置づけていくのか。対象を客観化する知がただそれだけ評価さ れるような時代は過ぎ去り、いまや、知の生産と消費を担ってきた 大学アカデミズムも現代社会に立ち位置を失いつつある。学問の死 を謳うのは容易い、しかしだからこそ、社会学という営みを再び肯 定的に捉える視角が必要ではないのか。生の社会学とは、生を社会 学的に説明する営みに還元されるようなものではなく、生きられる 社会学であり、生きることを生きようとする、そんな試みだと考え てほしい。  生の多様性をめぐる議論があるとして、それを、いかに自分が生 きるのかという問いに、どのように結びつけることができるのだろ うか。この授業で参加者と一緒に僕たちが考えてみたいのは、これ である。具体的には、全授業回数を三つから四つのユニットとして 運営する予定である。各ユニットは、ゲスト講師による講演、ゲス トに関わる僕たちの解説、ゲストの講演内容についての僕たちの対 談、そして参加者からの発議に基づく議論によって構成される。そ してもちろん、生を生きるという資格においてひとりひとりの参加 者がゲスト講師たりえるだろうとも考えている。  生、障害、性にかかわるテーマがまずは出発点になるだろう。

授業に関する情報は下記のホームページで

http://lebenssoziologie.jimdo.com

 

テキスト(教科書):

『高齢化社会と日本人の生き方―岐路に立つ現代中年のライフストー リー』 小倉康嗣著 慶應義塾大学出版会 2006

『生の技法ー家と施設を出て暮らす障害者の社会学』 岡原正幸ほか 著 藤原書店 1995

『ホモ・アフェクトス』 岡原正幸著 世界思想社 1998参考書: 授業内容によって適宜指示します。 担当教員から履修者へのコメント: 積極的な参加を通じて、みなさんがみなさんの生を描き出すことが 大事です。

 

成績評価方法:

ゲスト講師の講演に応じてレポートを数回提出してもらいます。こ れらのレポートと授業への参加態度によって平常点で評価します。

 

質問・相談: 以下のアドレスで担当者岡原とコンタクトがとれます mlb41567@nifty.com